はじめに
食事介助の場面でよく見られるトラブルのひとつが「むせ」
むせは単なる咳込みではなく、誤嚥性肺炎のリスクにつながる重大なサインです。
介護士ができる一番の予防策は、食事前に「正しい姿勢=ポジショニング」を整えること。
ここでは、現役筋肉介護士バルクケアが実践している、むせを防ぐポジショニングのコツを紹介します。
基本は「90度」
食事姿勢の基本は座位90度・足底接地・頭部やや前傾。
- 背もたれに深く腰掛ける
- 足を床またはフットレストにしっかりつける
- 顎を軽く引き、首を前に倒す
「まっすぐ」より少し前傾することで、気道が守られ、食べ物が飲み込みやすくなります。
環境を整える
テーブルの高さは、ひじが自然に曲がる位置に車椅子ならフットレストを必ず使用
ベッド上ならギャッジアップで体をしっかり起こす
「とりあえず上体を起こす」ではなく、足・腰・頭の3点を安定させることがポイントです。
介助者の位置
- 利用者さんの正面ではなく、斜め前の位置に座る
- 少し下の位置からスプーンを運ぶと飲み込みやすい
- 視線を合わせて安心感を与える
真正面から食べさせると首が反りやすく、むせの原因になります。
食事の一口量とペース
姿勢だけでなく、介助の仕方も大事です。
スプーンは山盛りにせず、一口は少量
飲み込みを確認してから次のひと口へ せかさず、利用者さんのペースを尊重
「姿勢+適切な量+落ち着いたペース」が誤嚥を減らす鉄則です。
よくあるNG姿勢
これらはむせや誤嚥を引き起こす代表例です。
ちょっとした工夫
「食べやすい姿勢」を作ることは介助そのものと考えると、見直しやすくなります。
バルクケア流ポイント
まとめ
むせや誤嚥は、介助者のちょっとした姿勢調整で大きく減らせます。
誤嚥を防ぐことは、利用者さんの「食べる喜び」を守ること。
「食事介助は筋トレと同じ。姿勢づくりが結果を決める」——これがバルクケア流の誤嚥予防ケアです。