はじめに
立ち上がり介助は、介護現場で最も多い動作のひとつ。
「ちょっと手を貸すだけ」と思いがちですが、間違ったやり方は利用者さんの転倒リスクを上げ、介助者の腰や肩も痛めます。
筋肉介護士の私が現場で実践している、安全で腰を守る立ち上がり介助のフォームと声かけを紹介します。
立ち上がりで事故が起こる原因
利用者の足元や重心が不安定 急に立たせようとする 介助者が腰や腕で引っ張る 声かけがなく動作がバラバラ
筋トレでフォームを崩すとケガするように、介助も姿勢とタイミングが命です。
バルクケア流・立ち上がり介助の基本フォーム
足の位置を安定させる
利用者の足底がしっかり床についているか確認 膝がつま先より前に出ないように調整 足幅は肩幅程度に広げ、立ちやすい姿勢に
重心移動を意識
上体を軽く前傾させる 重心が足の前方に移るようにサポート 「せーの」で立ち上がりのタイミングを合わせる
この前傾はスクワットの「しゃがみから立ち上がる」動きに似ています。
腰ではなく脚で支える
介助者は腰を落として膝と太ももで支える 腰を曲げて腕だけで引き上げない 背筋は常にまっすぐキープ
腰痛予防のため、フォームは常にデッドリフトやスクワットの基本姿勢を意識。
声かけのポイント
準備段階
「今から立ちますね」 「足はこの位置に置きましょう」 「背中を少し前に倒してみましょう」
動作直前
「せーの、で立ちます」 「足に力を入れて」 「私の手を押すイメージで」
動作後
「ゆっくり座りましょう」 「足元気をつけて」 「大丈夫でしたか?」
よくあるNG動作
腕だけで引っ張る(肩・腰を痛める原因) 声かけなしで突然動かす(転倒リスク大) 利用者の足元が不安定なまま立たせる
バルクケア流ポイント
足元と重心が全ての土台 スクワットと同じく、安定が先。 介助者も筋肉で守るフォーム 腰は曲げず、脚で支える。 声かけは動作のリズム作り 呼吸と動きを合わせて安全に。
まとめ
立ち上がり介助は、正しいフォームと声かけを徹底すれば事故も腰痛も防げます。
今日からぜひ、筋トレ基準の安全フォーム+利用者目線の声かけを現場で実践してください。
「安全な立ち上がりは、介護のスクワットだ」——これがバルクケア流の考え方です。